2015/02/18

なるほどの展開で楽しみが一気に増大したが、尺不足が惜しすぎる『マジすか学園4』第5話レビュー


実際、次回以降に期待は増大したのは確か。
青木無常でありますよん。

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というわけで、前回を受けて本日は『マジすか学園4』第5話のレビューでありますよ。



前回の冒頭で「マジック」(木崎ゆりあ)の人となりを概観してみたんですが「負けず嫌い」がキーワードであることは理解できたものの、実はいまひとつすっきりしていない。

ここにも練り込み不足、もしくは演出不足が深く関わっているものと類推されます。

すなわち、なぜマジックは四天王の一人におさまっているのか、そしてなぜ頑なに興味がないことを装っていたのをひるがえして、さくらに戦いを挑む気になったのか。



というわけで、それでは、これもいつもどおりの講評に移りますですよ。

冒頭にも記しましたが、若干の信頼回復と期待の増大があり。
あくまでも、若干。

具体的にどこにそれを感じたのかというと、一年生最強コンビの扱いに関する部分と、次回の展開へとつながる新たな登場人物の出しかた。



つーことで、とりあえずいつもどおり時系列で詳細に内容を見ていきますね。


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 ・四天王の設定に関するひきつづいての疑問


今回はストーリー冒頭あたりで、「おたべ」(横山由依)とマジックの軽い対立が描かれている。
具体的には、マジックの嘲弄的な態度に怒りを露にするおたべのシーン。

「あたしら四天王はな…だれかてそんなハンパな気持ちでマジジョ背負ってへんねん…!」

きわめて熱いセリフである。
熱いセリフであるだけに、前話のレビューでも指摘した第一話の設定開示の部分との齟齬が、いよいよ本格化してきた感もなきにしもあらず…なのだ。

このおたべのセリフを見るに「現四天王のまとまりのなさ」という第一話での(「ウオノメ」=高橋朱里の)解説がますます浮いてきてしまうのである。

かといってマジックを除いた四天王に強烈な一体感があるわけでもないのは確かだが…

やはりどうしてもいきあたりばったりに脚本がつくられているような気がしてしかたがない。


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おたべがここまで熱く「四天王」を語る理由もいまいち不明。

前々作『マジすか学園2』におけるおたべの立ち位置からして、マジジョに対する愛着はほかのだれよりもある、と類推することはできる。

が、どうもそこに説得力が漂ってこないというか…



またこれまでの展開からして、おたべが「ソルト」(島崎遥香)に対してなみならぬ気づかいを見せている理由も…ここは説得力に欠けるとはいわないが、なんとなく引っかかりはなくもない。

説得力に関しては、前々作でのおたべの性格設定からして「いいひと」であるという前提があるからだろう。

ソルトが強いからではなく、ソルトが「何か」に苦しんでいるから、気を使う。

あくまでさくらをソルトのところまでたどりつかせないことに拘泥しているようなのも、二人の激突によって出てきてしまう、あるいは失われてしまう「何か」を危惧している…ようにも解釈できる。

ただし、どれもがあくまでも「何か」以上のものとはなっていない。

さくらの幼少時代に重大なトラウマが秘められているであろうことはすでに開示されているものの、ソルトの孤独や退屈に関してはいまひとつ不明。

「いまひとつ」としたのは、あまりにも強すぎて肩をならべられる対等の存在がいないことが、ソルトの孤独感の根源…という見方は現時点でも可能だから。

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ただ、それだけでは島崎遥香の哀しげな演技にどうも結びつきにくい。

おたべがさくらとソルトとの対戦を執拗に避けようとしている(ように見える)理由も、そもそもそれがあるのかどうかも含めて不透明。

いや。

あるのなら問題はない。

問題があるとしたら、ただ雰囲気だけ作っておいて、設定はあとづけでつけようとか作成側が目論んでいる場合。

もちろん、きちんと処理できる能力があるのなら文句はない。

その能力に濃厚な疑いをさしはさまざるを得ない現状があるからこその危惧である。

果たして…




 ・カミソリ・ゾンビの復活!(その1)


さて。
前話の講評で、スタッフを無能呼ばわりして苦言を呈しまくった一年生最強コンビ、カミソリ(小嶋真子)とゾンビ(大和田南那)の扱い。

ここに、今話ではかなりの希望が見えてきた。(^_^)

前話で表明した危惧の主たる部分は、この二人が単なる傍観者に堕してしまうのではないか、という扱いぶり。

第四話での二人は、にぎやかしのギャグキャラ的立ち位置でさくらの周囲をうろちょろするだけで、第三話で暗示された感情の起伏がまるで見えなかった。

さらには、チーム火鍋と同列の「傍観者」の立場での物語への関わりかた。

これらが、せっかく個性とコンフリクト(緊張関係)を協調した第三話までの展開を無にしかねない凡俗な演出としか思えなかったのが第四話だったのだが…


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マジックの脅威に対して無責任にさくらの凋落を予想する一年生(たぶん)に対して、反感をあらわにする今回の登場シーンはかなりいい。

三話、四話では雑魚感が急速に増大していった二人組だが。
そのカミソリとゾンビに、背後から声をかけられただけで激しくビビる一年生たちの反応も、この二人の大物感を回復させる好演出。

そして「さくらさんはうちらが守る!」との小嶋のセリフ。
いいねえ。燃える。

この二人に関する見せかたは今回、中盤から後半にかけてさらによくなっていく。


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 ・四天王とソルトの「気安さ」


さて、この件はさほどの指摘事項でもない。

ないのだけど、多少気になる四天王とソルトの動向がひとつある。

ちょくちょく階下に降りてくるところだ。
特にソルトはかなりひんぱんに、下級生のたまり場を歩いている。(`▽´)

正直な話、このあたりは少々“大物感”を阻害するきらいなきにしもあらず。

悪の首領や大幹部が、街の雑踏をちょくちょく歩いてたりする、なんてシーンは通常はあまり見かけない。

今回の『マジすか4』では、別に無意味に出てくるシーンが頻出する、というほどでもないのだけど、なんかそこはかとなく大物感が削がれているような気がして…


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 ・作劇上の必要に迫られた「ルール」の遵守


ソルトがさくらの前に姿をあらわし、パンチの際の“癖”を指摘するシーンにつづき、部室に戻ろうとするソルトにおたべが釘を刺すシーンがある。

そして再三再四、マジジョの頂点に挑戦できるのは四天王を倒してから、とくりかえされる「ルール」がここでも口にされる。

…のだが、正直、くどい。

ソルトにもさくらにも互いに戦う動機がある以上、作劇的に順序を踏む必然性を強調する必要があるのは理解できるが、くどすぎる。



さくらがこの部分に拘泥するのは、ウオノメたちからの説明を受けての話。
過剰に生真面目な性格が設定されているのもうかがえるし、問題ない。



が、結果的に頂点に“立たされた”だけのソルトが、ここにこだわる理由はない。

別に彼女が「マジジョのルール」とやらに縛られる設定もどこにも見当たらない。

というか、好き勝手にやっていたらいつのまにか頂点に祭りあげられていた、というだけである以上、ソルトがさくらを相手にしたいのならむしろ好きに開戦してしまうほうがあり得そう。

さくらの実力が可能性上は自分に迫るものであっても、現時点ではまだまだ力不足、このままではおもしろくならないので、四天王を使ってさくらの力の「底上げ」を謀っている…

という推測なら立てられるが、なんとなくソルトはそこまで底意地悪くもなさげだし、策略家っぽい描写もない。

違和感がどうしても漂ってしまう。




 ・「四天王のマジ」への違和感


そしてさらにつづくおたべのセリフ。
「あたしら四天王のマジ…見くびったらあかんよ…!」

ここもよくわからない。

後段のマジックの「マジ」へとつづく伏線のつもりなのか…?



そもそも、前回までくりかえし「興味ない」と口にしていたマジックが乗り出していく状況もなんか唐突。

というか、マジックのキャラ設定がゆらいでいる、といったほうがいいのか?

流れとしてはマジックが出張っていくタイミングはいつかは訪れるのだが…次回におたべの出陣がなさそうな以上、それは先延ばしにしても特に支障はなさそうなんだが。

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たとえば、口では嘲弄し罵倒していても、ヨガ(入山杏奈)やバカモノ(川栄李奈)が敗北したことに対しては穏やかならぬ感情がある、という仮定はなり立つ。

実はマジックも彼女らに対して信頼や親密さを感じていて、とか。

あるいは、そういうものはないにしても「四天王」というくくりの中での横ならび感?
…このラインでいくと「こいつらといっしょにされたくない」のセリフは裏づけになる。

それなりに実力があると認めてもいた同列の人間が、易々と敗北を喫してしまったことへの苛立ち。

それに伴って自分もまた格をさげられてしまうことへの憤り。

これならぴたりと整合する。


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するのだが、おたべの「四天王のマジ」を見くびるな、とのセリフには結びつかない。

少なくとも上のデンでいくと、おたべの抱く「マジ」とマジックの「マジ」とは種類がまるで違うものになってしまう。

それなのに矜持がはっきりと漂うおたべのセリフはどうしてもおさまりが悪い。

今後このあたりが物語に関わるかどうかはおろか、その意味が開示されることがあるとも思えない。

どうも、このあたりもケツのすわり具合がいまひとつ。
格好のいいセリフをいわせてみました、くらいの意味あいしか感じられない。
残念な部分である。




 ・カミソリ・ゾンビの復活!(その2)


そしていよいよ!
みなみ(高橋みなみ)の定食屋のシーン。
…である! (^_^)



前話レビューにて私はカミソリとゾンビの扱いに危惧を表明していたわけだが、その危惧がようやく払われるシーンとなったわけである。(^_^)

前回の講評では、二人組が強引に定食屋にまでくっついていき、みなみとも積極的にからむ、という展開にすべきだ(った)と主張した。

が、今回のこの展開なら撤回してもいい。
ていうか、撤回する。



図々しさ全開(を装って)でさくらの周囲をうろちょろする二人組だが、実は大事な部分に無遠慮に踏みこむことだけはしない…

…という意図なのかどうかは知らないが(`▽´)、そう受けとることはできるシーンである。

そして後段になって、多少は認められた = さくらとの距離が少しだけ近づいたことを象徴するごとく、店内に踏み入ることを“許された”ていの展開へとつながる。

この流れなら、第三話での拒絶 -> 第四話以降の二人組の無遠慮さにもつながりや奥が見えてくる。

すばらしい。

この調子なら、復調も期待…できるかどうかは、まだ予断は許さないが。

というか、もしかしたら脚本家の資質に大きく左右されてたりしないのか、という別種の危惧もそこはかとなく感じていたのだが、いま急浮上(^_^;)してきてしまってきた。カモ。

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 ・マジックvsさくらにおける描きこみ不足(その1)


マジックvsさくらのシーン。

まずは変幻自在に出没をくりかえすマジック。

幻惑効果抜群で、マジックというキャラの特質がよく出ているシーンではあるが、さくらをあちこちひきずりまわす意味がいまひとつ薄い。

キャラ設定からして、単にさくらを嘲弄しているだけ、という意図なのかもしれないが、せっかくだから、不用意に走りまわるさくらに小規模な罠がつぎつぎと…

…というような小技をしこんでおいてもよかったのではないか。

曲がり角を曲がる先にカッターがしこんであって、深くはないが切り傷が刻まれたとかさ。
そういう類の小技を、ふたつみっつ。

まあこの程度の小技はあってもなくてもたいして違いはない。
が…


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美術室に誘いこまれてからの、本格開戦以降のシーンでさらに、この手の“ものたりなさ”が加速してしまう。

たとえば本格開戦冒頭。



突然の爆発にさくらが気をとられた一瞬――逆方向から襲いかかるマジックの蹴り。

これがおまえのやりかたかと憤るさくらに対し、マジックは「おまえごときに小細工使う必要はない」とうそぶく。

さくらは生真面目に「やるんだったら…あんたのマジで向かってこい」と告げ、受けるマジックの顔色もかわる。
…冷たい怒りの色に。

「わかった」と短く答え、真正面から…と見せかけて、もう一段階の罠が、という展開はたいへんよろしい。


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よろしい、が…ここに至るまでの段取りも、これまた短い。

もっとマジックを活かした仕掛けを矢継ぎ早にたたみかけて、さくらを翻弄し嘲弄する場面がほしかったところなのである。



スケジュールの関係や尺の問題もあるだろうが、カットバックで対応できそうだと思うんだけど…

定番だがたとえば、蹴りを入れたら鏡だった、とか。

音に反応して攻撃したら、びっくり箱から笑いながらピエロの人形が出てきたり、とか。

天井から何かが降ってきたり、とか。

こういうシーンをカットバックでつぎつぎに入れこんでいって、最後に部屋の奥の暗がりでマジックが、腹を抱えて大笑いするシーンにつなげる。

そうしたほうが、このキャラの性格の悪さもより際立ちはしないか?


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その上で、つぎのシーン、すなわち…

あんたのマジで云々というさくらの直情的なセリフにさらに爆笑したあと、がらりと態度と表情をかえて“マジ”な攻撃にうつる場面へとつなげれば、リズムもバリエーションも出るじゃない。じゃね?

この流れなら、卑怯なマネばかりしているけど実はそれ以上に、ヨガやバカモノに劣らぬ実力者でもある、という展開もよりドラマチックになると思うのだが。

実際、演じる木崎ゆりあには、父親から伝授された(んだっけ?)、護身術としての多彩な蹴りがあるし、これはドラマにもきちんと活かされてはいるんだけど、詰めが甘いというか、もったいない流れのつけかたというか…。


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 ・アクションシーンは高水準


で、木崎のその多彩な蹴り技が縦横無尽に荒れ狂う殺陣のシーン。

ここは見ごたえ満点。

暗い美術室のカーテンが乱闘にまきこまれてひきちぎれ、明るい、そして冷たい冬の昼の光が窓からさしこむ逆光のシーンへとつながる演出もみごと。



さらにそこから、さくらの蹴りが届いた――と思われた瞬間、撮影用ライト(?)の煌々と照り輝く遮幕の向こうにあらわれた最後の罠…!

…は、いい。
…は、いいんだが…


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 ・マジックvsさくらにおける描きこみ不足(その2)


…このあとの処理にも若干の不満。

この点に関しては、後述する。



その前に。

さくらの視線にマジックが苛立つシーン。

ここは悪くはない。
悪くはない、が、ここも欲をいえば説明が欲しい。

卑怯な手を咎められて反感を抱いたのか、とか。

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あるいは設定的に現実にリンクしてる、とか。
つまり、木崎にとってはポッと出の宮脇がセンターに抜擢されてるあたりをからめての「気にくわねえんだよ」だったり、とか?

そもそも実力もありながらマジックがなぜ、相手を嘲笑し、見下し、翻弄する卑怯な手段をメインに使うのか。

…という部分に対する背景設定(あれば、の話だが)の開示がないので、最終的に敗北した際のマジックの反応、というか態度の変化にも説得力が欠けすぎるきらいがある。


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視聴者の想像にゆだねる――という反論は私には受けつけられない。

想像にゆだねるためのキーをきちんと配置していないからである。

ここで細かに書き記しているのももちろんその部分だ。
てか、なんで一視聴者であるわしがその部分を補完せねばならんのだね? スタッフの諸君。(`▽´)

ふつう、パッと見の一般視聴者はここまで勝手に補完してくれたりはしないよ。

ファンなら割り引いて贔屓目に見てくれるけど、そうじゃないんなら「ただなんとなく」不足感を感じて、見るのをやめるだけだし。


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 ・カミソリ・ゾンビの復活!(その3) + またしても、圧倒的なる練り込み不足


…で、ここから。
ようやく来た。

危機を察知してかけつける援軍。
すなわち、一年生最強コンビ、さくらのおしかけ舎弟にして理解者、協力者である、カミソリとゾンビ!

これを待っていたのよ。

これなら、ようやく首肯できる展開。

…なんだけど…


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残念ながら、ここも演出が不足している。

カミソリもゾンビも、単に身を挺してさくらをかばう…だけ。
「だけ」といってしまっては、身も蓋もないけどね。

手錠でつながれているさくらの状況を目のあたりにして、怒りもあらわにマジックに突っかかる二人組。

だが、圧倒的な実力差に、まるで手も足も出ない。

なのに、さくらのために執拗に巨大すぎる敵に挑みつづけるカミソリ・ゾンビ。

この展開自体は悪くないものの、それにつづくシーンとともに、練り込みが足りなさすぎるのである。


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倒れてもあきらめない二人の「マジ」を嘲弄しながらいたぶるマジック。

このマジックの態度に、ぶち切れるさくら!



ここからさくらが、きわめて唐突に怪力を発揮して手錠を引きちぎる。

そんなバカな、と目をむくマジック。

まさしく「そんなバカな」だ。
なぜなら、唐突に過ぎるから。


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まあ前半のラッパッパ部室でのシーンで、バカ力が唯一の(そしてもちろん最強の)武器であるバカモノの口から「ハンパねえバカ力だった」といわせているのが伏線、とかゆわれても、別にいいんだけど。

いいんだけど、だからってこのシーンの唐突感はたいして軽減してるわけじゃない。



伏線は張ってあるんだからそれを受け取らないのは視聴者の力不足。

…とかいうんなら不親切どころか安易すぎる話であって、そこに説得力をもたせるのがプロの仕事ってもんなんじゃないか?


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舎弟二人組の、身を挺してかばう「だけ」の部分に戻る。

どこが「だけ」なのか?

せっかく二人いて、それぞれ性格設定もかえているのだから、ここは大いに活かしてほしかったところ、という意味である。


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 ・青木無常様の作劇のお手本( ̄ー ̄)


打たれ強いのが特性のゾンビは、全身でさくらをかばう。これでいい。

コンビのカミソリは、ゾンビがマジックの攻撃を引きつけているうちに、さくらの手錠をどうにかできるものをさがす。
…と、くるべきじゃない?



理想をいえば、マジックが手錠の鍵を隠しているのを事前に偶然目撃。

そのときは意味がわからなかったが、この場に及んで、ハタ! と思い当たり一目散に…。

とか伏線(これこそ伏線ってモンじゃね?)張っておいたりしたら論理的にも整合する。


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尺にも余裕がなさすぎるし、まあ不自然にならないよう撮るのも確かに困難。

さらに、怪力が唐突と不満を述べたけど、別にさくらが怪力をも秘めているという設定に否やを唱えるつもりもないし、そのあたりを活かすとしたら、別の展開もある。



たとえば…美術室だと、手錠をどうにかできるような道具があるのかどうか…思い浮かぶのはせいぜい紙やすりくらいかなあ。

ちょいと鉄のかたまりを短時間でどうこうするには足りなさ過ぎるね。

美術室じゃなくて工業高校の工作室とかなら、もっとちゃんとした金属のやすりとかもありそうだが…ここはちょいとズルして、美術室にそれがあった、と。

偶然。(^_^;)これくらいは許せ。


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それをカミソリ自身が手錠にかけるのもいいし、あるいは小嶋真子の見せ場にすることもできる。

ゾンビにやすりをパスして、カミソリはマジックと対戦。てな展開。どう?



もちろんマジックを追いこむほどの“格”をカミソリにつけちゃったら逆にバランスを崩壊させるけど、ゾンビが手錠にやすりをかけるくらいの余裕を与えられるだけの“抗戦”をカミソリにさせれば。

木崎のキックvsカミソリの手刀、ってな対戦もなかなか興味深いし、かなりの見せ場になるよ。

いや、今回もそのシーンはあるけど、ゾンビと入り乱れての乱戦でいまいちわかりにくいし、とにかくごちゃごちゃしてるから。


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で、ただしここはさすがに四天王、ってな見せかたでマジックは手間どりながらもカミソリをくだし、必死に抵抗するゾンビもついに(ここでこそ「かかと落とし」一閃だろう!)陥落。



とにかくこういう具合に段取りをつければ。

二人がやられてもやられても、そしてさくらに制止されてもきかずに、とにかく一途に抗戦する。

その「マジ」をマジックが嘲弄し、さくらの怒りに火をつける。

で、雄たけびを放ちながら手錠を力まかせに引きちぎる! (もちろんその伏線として、ゾンビもしくはカミソリがやすりである程度手錠の強度を劣化させておく、という展開を仕込んだ上での、力まかせだ)

この燃える展開自体も、より活きてくるってもんじゃない?


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この、さくらの怒りが爆発する部分はすばらしい。すばらしいだけに、そこに至るまでの「手つづき」を安易に処理してしまったことがどうにも…

いや、安易にとかいってしまっては、限られた条件下で作劇に臨んでいる役者・スタッフに酷に過ぎることも、もちろん類推はしているのだけど。



…たいした伏線も張らずにいきなり鉄の手錠を破壊するのは、やっぱりちょっとね…

青木無常様の例示のように、もっと丁寧に描きこんだほうが説得力もよっぽどあるし、ドラマチックに展開もするだろ。




 ・マジックがさくらの怪力に「タネ」発言?


さくらが手錠を破壊した際にマジックが口にするセリフも不自然。

「うそだろ? どんなタネ使ったんだよ!?」

マジシャンであるマジック(この言い回しも頭が痛くなる要素ではある(^_^;))が口にしそうなセリフを安易にねじこんだ感がどうしても漂う。

さくらにマジックの素養などカケラもないことは一目瞭然。

それをマジックの使い手であるマジックが(これもだ(^_^;))見抜けないはずもない。

さらにそんな素人のさくらに対して、マジックでの敗北を示唆するようなセリフをみずから口にするはずもなし。

…と、思うのだが。


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 ・宮脇咲良の演技力


あと、このあたりの場面の宮脇咲良の絶叫も、あまりいいたくはないが不満。

宮脇に限った話ではないが、何人かの子が殺陣のシーンで叫んだり気合ったりするのに不向きな声しか出せていない場面は、おそらくシリーズ全体を通して非常に多い。

演じているのが女の子だからしかたないといえばしかたない。
持って生まれた声質、というものもあるだろう。

ただ、声質はどうにもできないとしても、もっと腹の底からしぼりだすような声音は、歌手である彼女らであれば腹筋から出す素養はあるはず。



…言いかたが不適切かもしれない。

歌を歌うことを仕事としている以上、それを支える下地のひとつである腹筋は、それなりにでも鍛えられているほうが望ましい、という程度か。






アイドルとはいえ、おそらくは真剣に取り組んでいる子も少なからずはいるだろうし、こんないいぐさは失礼に当たるのだろうが…



宮脇の「絶叫」が、「女の子の声」での絶叫にしかきこえないのも、どうしようもない事実。



むろん、ここまでいうのも、すばらしい前例があるからだ。

『マジすか学園3』第十一話での、「小耳」=矢神久美と、「なんてね」=木本花音という前例が。

未見であればぜひ視聴してほしい。
彼女らの絶叫は、すさまじい迫力を体現していた。
まさしく、魂の叫びを感じさせられた。


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宮脇に努力が足りない、などとはもちろん、カケラもいうつもりはない。

それどころか、だれよりも努力し、だれよりも自己を研鑽し抑制して、アイドルとしての飛躍に結びつけようとしているだろうことは、傍から見ているだけでも充分以上に伝わってきている。

アイドルという制約と枠があり、その可能性の中での活動である以上。
そしてそこで最前線に立って日々を忙殺されていると思われる点からも。

そこまで求めるほうが欲張りすぎなのもわかってはいる。



ただ、物語が内包するポテンシャルや、物語が要求する本来あるべきレベルには、残念ながら追いついていない、というのもまた、ぬぐいようのない事実だから。


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どこでだれが発言していたのかは覚えていないのだが、HKT48のだれかが、宮脇は演技がうまい旨強調しているのを見た記憶がある。

その点で、今回のドラマでは宮脇の演技にも期待していたのだが…

哀しげな表情や、静かな場面でのたたずまい、間のとりかたなどはよさげな気はする。
(もっとも以前も書いたことだが演技のよしあしはわしには正直よくわからん)



だが不必要に低めた声音。

これは迫力を出そうとしての演技なのかもしれないが、第一話でも指摘したとおり、全編を通してほぼこの調子でいってしまっているところが逆効果につながってしまっている。

ふだんは、もうすこしふつうの話しかたでいい。

そのほうが、肝心な場面で力をこめた話しかたに切りかえたとき、迫力もより際立つはず。

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そして、今回の絶叫。



役があわない、とまではいわないが、むしろ無言で、表情だけで表現したほうがよかったかもしれない。



もっと現実の宮脇に近いような役柄ならまた印象もちがってきそうだが…
どうも現実からは遠く隔たりのあるキャラに、歩み寄りすぎの感は否めない。


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 ・新たな登場人物の見せかたの妙


さて。
前話までも危惧してきた早すぎる展開に関しては、今回の引きの部分でかなりの希望が見えてきた。

後半に入ってから対戦させるべき、ピラミッドの頂点近くに位置する四天王。

今回までを含めると、その大半をさくらは敗退させてしまっている。

まだ全話の半分にも至らないのにこの調子では、後半どう展開させるつもりなのかがさっぱりわからなかった。

まあいきなり三話めから四天王の消費が始まる構成は、現時点でもバランスが悪いとしか思えないのはかわらないが、今回の引きは不自然ではない形で新キャラの登場につなげている。


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アントニオ(山本彩)の独断専行に対するこびー(渡辺美優紀)の不満。

この伏線は毎回表現されていたし、期待も大きかった。
その期待をこえる暗躍を、いよいよこびーが画策し始めたのだ。

その具体的な形象化として出現した、狂気を思わせる二人の新たな登場人物。

シロギク(白間美瑠)とクロバラ(矢倉楓子)である。

アントニオ一派とは無関係と思われるレベルで、その凶暴さを全開にして大暴れする登場シーンがまず印象的。

そこにこびーが現れる。

学校を牛耳るグループのナンバーツーにも躊躇することなく殴りかかるシロギクもいいし、その凶暴すぎる態度にまるで動じないこびーも、改めて大物感が強調される。

腹黒感も。(`▽´)


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次回予告で「あたしが戦争の火種を作ったる」と口にしている渡辺美優紀のシーンもある。 だれにいっているのかは不明だが、予告の構成だとソルトか。

ソルトがそれにどう対応するのかも楽しみだ。

この方向転換で、物語にうねりが生じそうな気配もいきなり濃厚に漂ってきた。

さらにこの方向なら、展開のさせかたもかなり自由に広げられる余地がありそうだ。

だからこそどうにも収拾のつかない『マジすか2』的な凋落への芽もまた少なからず見えてきそうな気配もまたあるが…(^_^;)


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とはいえ、この調子でうまいこと回復してくれれば、場合によっては『マジすか1』に匹敵する傑作へと昇華する可能性も大いに期待できる。



ということで、次回の第六話もまた激しく楽しみでありますよ! (^_^)



胸躍らせつつ本日はこのへんで。
最後まで読んでくれてありがとう!
それでは、また~(^_^)/~~




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「マジすか4」第七話 やっぱりどうも早すぎね? 「おたべ」とも決着『マジすか学園4』第七話ネタバレあらすじ
「マジすか4」第7話レビュー 展開が直線的すぎて起伏に欠ける『マジすか学園4』第7話レビュー このままでは盛り上がりを期待し難く不安が増幅…
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「マジすか4」第8話レビュー とにかく「こびー」の扱いが小物感加速しっぱなしでどうしようもない『マジすか学園4』第8話レビュー
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「マジすか4」第9話レビュー この出来不出来の振幅はいったい何なのか…『マジすか学園4』第9話レビュー
「マジすか4」第十話 ついに決着! さくらvsソルト…『マジすか学園4』 第十話(最終回) ネタバレあらすじ
「マジすか4」第10話レビュー リアルかつ「どっちつかず」の結末は狙ったのか否か『マジすか学園4』第10話(最終回)レビュー
「マジすか5」放映前 スケールアップ? 思考停止の間違いじゃないのかとしか思えない『マジすか学園5』の概要発表







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