2015/01/15

物語の王道に沿って展開しながら設定の稚拙さに引きずられて満身創痍のまま終焉を迎えてしまった『マジすか学園3』の悲劇


個人的には三作品中いちばん好きなんですがね。
青木無常でありますよう。

というわけで前々回前回を受けての
マジすか4放映記念企画、シリーズ過去三作を
ふりかえる! の最終回。題して
『マジすか学園3』の悲劇!



Amazonリンク




第三弾である『マジすか学園3』は、
本ブログでも開始前から注目し、
逐一その展開を(ほぼ)リアルタイムで
追ってきた作品。

こちらは、物語としては王道に展開するし、
キャラ造形や関係性の変化などはすばらしかった。

それだけに、設定の根本的な破綻ぶりや
キャラ造形の無駄な浪費があまりにもどうしようもなく、
物語全体の整合性に容認しきれない問題が
続出していたことが惜しすぎる作品であった。



Amazonリンク




近未来(?)の日本のどこか、社会のクズである
不良学生を強制収用した(更生施設とは名ばかりの)
刑務所を舞台とした抗争劇と陰謀劇。

これがマジすか3の骨子である。



二大勢力であるチームハブと
チームマングースが牛耳る施設内に
島崎遥香扮するパルが入所してくる。

罪状は殺人だが、自身は記憶を失っており自覚はない。

所外にいるはずの恋人の男性がきっと自分を
助け出してくれる、という当てのない希望を
唯一の心のよりどころとして、あくまで
“通りすがり”の立場を崩そうとしないパル。



だが、彼女の罪状は殺人。そして彼女が
殺害したとされる被害者は、まさしく
心のよりどころであったはずの恋人の男性だった…



…というのが導入数話の概要。



提示された内容と、パルとチームハブの面々との
敵対 -> 和解 -> 絆の成立が順次描かれていき、
否が応でも期待感が盛り上がる前半部であった。

ところが物語中盤にさしかかるあたりで、
不穏な空気が色濃くなっていく。

パルを中心に一致団結するハブ。

そして外部に存在を示唆されていた
さらなる敵対者であるマングースの面々。

癖の強いキャラ造形とさまざまなつながりや
敵対の構図で、みごとなまでに物語の
盛り上がりを予感させておきながら…

中盤あたりまでは、謎をからめつつではあるが
第一作と同等の一話完結・オーソドックスな
展開を守っていたものの、マングースの全貌が
現れてくるあたりから迷走が始まってしまう。



すばらしいキャラたちは物語におきざりにされ、
中途半端に敵対構図を提示しただけで、
コンフリクト(緊張関係)は宙吊りにされる。



もちろん中には、主人公パルと徹底的に
タイマンを展開するキャラもいるにはいた。



Amazonリンク




たとえば存在感の薄いパシリとして登場しながら
後に裏切り者であり実力者であることも判明する
ミユ=竹内美宥。

あるいはマングースのリーダーとして
絶大な存在感を漂わせていたアンニン=入山杏奈。



このあたりの展開は王道でもあり
コンフリクトの解消も
きちんとなされてはいた。
小さなカタルシスは申し分なく存在した。



Amazonリンク




そう。小さなカタルシスだ。

物語全体に通底する謎の提示が
あまりにもみごとだっただけに
その開示のお粗末さにはがっかりを通りこして
怒りすら覚えた記憶がある。



不思議なことに、物語の展開だけは
王道につぐ王道で、これまたカタルシスは
平均以上の出来栄えといえた。

だからこそ謎の正体や最終的な展開の
粗忽さ・場当たりさが余計に際立ってしまう。



Amazonリンク




パルの記憶喪失は単なる偶然。

物語中にたびたび提示される指標も
蓋をあけてみれば対して重要な意味はなし。

のっけから行方不明とされていた
チームハブのリーダー・ノブナガ
(中盤後部あたりで松井珠理奈と判明)の
正体と、なぜ行方不明になっていたかの理由。



Amazonリンク




そしてきわめつきの粗忽設定が
収容所である「マジすかプリズン」の正体。

なんつーか「クリーナー」と呼称する
暗殺者の養成施設であったとかなんとか。
この「クリーナー」という呼称自体も
なんかかなり中途半端。

(見せかた次第では、SF史に残せるような
すばらしいネーミングにもできたかもしれんが)

いや、このあたりの設定は別によくも悪くもない。
ありがちといえばありがちだが、それだけに
大きな瑕疵となる可能性も低かったはず。



Amazonリンク




問題は、暗殺者養成施設でありながら、
あまりにも管理が杜撰でありすぎたこと。

「クリーナー」が施設の生み出す“商品”としての
頂点であることは問題ないが、殺害をも辞さない
対立図式をあおったり、あまつさえサバイバル
バトルを施設自らが先導したりと。

商品の質へのこだわりとか、あるいは所長の無意識の憎悪の顕現とか、
(甘目の)解釈もできなくもないが、それでもリアリティに欠けすぎる。



Amazonリンク




暗殺者養成施設なら目玉商品ばかりでなく、
それに匹敵する戦闘技術を持つほかのメンバーも
当然売りに出すべきなのに。

それこそ中国の呪術である蠱毒のごとく、
頂点以外は不要とばかりに争わせ、
暗殺者候補たり得る技術を持つ面子まで
つぎつぎに淘汰させようとする設定は…

あまりにも不自然きわまる。



Amazonリンク




コンフリクトの非解消ぶりはすでに言及済みだし、
ここでそれをくりかえすのも煩雑にすぎるので
やめておく。



この二点があまりにも雑に過ぎたが故の
欲求不満感がハンパなさすぎて…。

結果として、物語の展開はおもしろすぎたのに
設定の開示と展開とのからませかたがあまりにも
最低すぎたために、駄作と断じざるを得ない
お粗末な結末としか残らない印象となってしまったわけである。



Amazonリンク




これほどみごとな材料と下ごしらえを施しながら
料理のしかたのまずさ故に大失敗を喫してしまった
作品を私はほかに知らない。



というわけで。
マジすか4は、どうか。

予断を許さない状況がつづいていることは
どうころんでも否定できない。もちろん、
2や3の開始当初と同様、大きな期待もまた
否応なしにわきあがってはいる。

そのどちらも含めて、楽しみでしかたがない。



Amazonリンク




願わくば、2のような、物語としても
設定としても見るべきところがほとんどない
駄作と化してしまわぬよう。

第一作のクオリティよ再び、と希みたいところだが。

せめてもとしては。
破綻しておきながら深い印象を残してくれた
個人的には一番好きな作品である「3」あたりの
出来栄えを期待したい。



ボロクソいうのも、期待の裏返しだからね。(^_^)
頼んまっせ、スタッフのみなさま。_(_ _)_



んん…でも老婆心ながらもう一言。

マジすか2と3のあいだを補完するとか、
そういうバカげたこだわりはやめとくれな。
本気で!

そんなんどうでもいいことだから。
われわれ視聴者には。

もちろん、きちんとみごとに納めてくれるんなら
いうことないがね。無理だろ。あんだけ
破綻しまくってる二作をつなげるのは。

頼むぜ…?
マジで!



Amazonリンク




つーわけで、あとは本放映を座して待つのみ!
なんだかんだいいつつ、やっぱりホントに
楽しみで楽しみでしかたない。

こういう作品に出会えるって、本当に幸甚。



ほくほくしながら本日はこのへんで。
最後まで読んでくれてありがとう。
それでは、また~(^_^)/~~




マジすか学園関連記事:
「マジすか3」放映前 AKB48主演ドラマ「マジすか学園3」7月スタート! 今回の主役は島崎遥香!
「マジすか3」放映前 マジすか3は完全リニューアル?
「マジすか3」第一話 マジすか学園3 むっちゃおもろい!
「マジすか3」第二話 マジすか3があいかわらず絶好調で楽しいです
「マジすか3」第三話 マジすか3 第三話は若干不安……
「マジすか3」第四話 マジすか3第四話「1ダースの涙。」は……「ん?」
「マジすか3」放映中 チームマングースの意外な面々
「マジすか3」第五話 マジすか3の第五話、ますます判断つかなくなったが、おもしろさはパワーアップ
「マジすか3」第六話 「マジすか学園3」第六話。もう混沌としかいいようがない。おもしろいけど(^_^;)
「マジすか3」第七話 「マジすか学園3」第七話 んん、なんか雲行きが……
「マジすか3」第八話  とうとうきちまったかも……「マジすか3」の失速。
「マジすか3」第九話 演出の妙に救われた第九話―「マジすか学園3」(ネタバレあり)
「マジすか3」第十話 いやはや、予想もつかない展開だ>「マジすか3」第十話で驚きの構成内容が明らかに
「マジすか3」第十一話 奇妙にセオリーに沿って展開する「マジすか3」第十一話
「マジすか3」第十二話(最終回) カタルシス不足で意味不明な最終回>『マジすか学園3』
「マジすか4」放映前 緊急特別企画! AKB48G総出演のテレビドラマ「マジすか学園4」始動! メンバー一新でラッパッパひきいるマジ女が帰ってくるぞ!
「マジすか4」放映前 マジすか4放映記念! シリーズ過去三作をふりかえる! 第一弾は前田敦子主演の力作『マジすか学園』
「マジすか4」放映前 主役不在で焦点皆無、ストーリーも迷走しっぱなしの超駄作『マジすか学園2』
「マジすか4」放映前 物語の王道に沿って展開しながら設定の稚拙さに引きずられて満身創痍のまま終焉を迎えてしまった『マジすか学園3』の悲劇
「マジすか4」第一話 いよいよ開幕!『マジすか学園4』周りを固める個性派群はかなりよし! そして主役は…?
「マジすか4」第二話 激突! 一年生最強コンビ、ゾンビ&カミソリvsさくら-「マジすか4」第二話ネタバレあらすじ&レビュー
「マジすか4」第三話 さくらvsヨガで生まれた二つのコンフリクトに対する不安と期待-『マジすか学園4』第三話ネタバレあらすじ&レビュー
「マジすか4」第四話 四天王二人目「バカモノ」と決着!…ってペース早すぎねえ?-『マジすか学園4』第四話ネタバレあらすじ&レビュー
「マジすか4」第五話 マジックvsさくら! 幻惑の魔術師にさくらはどう戦うのか? 『マジすか学園4』第五話ネタバレあらすじ
「マジすか4」第5話レビュー なるほどの展開で楽しみが一気に増大したが、尺不足が惜しすぎる『マジすか学園4』第5話レビュー
「マジすか4」第六話 さくらつぶし決行! vs凶悪コンビ、シロギクとクロバラの恐怖『マジすか学園4』第六話ネタバレあらすじ
「マジすか4」第6話レビュー 卑怯!vs定番・王道のカミソリ・ゾンビ! 超復活に歓喜もしきりの『マジすか学園4』第6話レビュー
「マジすか5(仮)」勝手にストーリーを製作! 第1話 あれま!『マジすか学園4』放送休止につき緊急特別企画! ストーリーを勝手に製作!『マジすか学園5』!
「マジすか5(仮)」勝手にストーリーを製作! 残り概要 『マジすか学園5』! のストーリーを勝手に製作! 第二話以降の展開を駆け足で勝手に補足! 敵ラスボスは兒玉遥!
「マジすか4」第七話 やっぱりどうも早すぎね? 「おたべ」とも決着『マジすか学園4』第七話ネタバレあらすじ
「マジすか4」第7話レビュー 展開が直線的すぎて起伏に欠ける『マジすか学園4』第7話レビュー このままでは盛り上がりを期待し難く不安が増幅…
「マジすか4」第八話 こんな「意外な展開」は腰砕けだ(´_`。)『マジすか学園4』 第八話 ネタバレあらすじ
「マジすか4」第8話レビュー とにかく「こびー」の扱いが小物感加速しっぱなしでどうしようもない『マジすか学園4』第8話レビュー
「マジすか4」第九話 「アントニオ」のキャラ造形で超復活!『マジすか学園4』 第九話 ネタバレあらすじ
「マジすか4」第9話レビュー この出来不出来の振幅はいったい何なのか…『マジすか学園4』第9話レビュー
「マジすか4」第十話 ついに決着! さくらvsソルト…『マジすか学園4』 第十話(最終回) ネタバレあらすじ
「マジすか4」第10話レビュー リアルかつ「どっちつかず」の結末は狙ったのか否か『マジすか学園4』第10話(最終回)レビュー
「マジすか5」放映前 スケールアップ? 思考停止の間違いじゃないのかとしか思えない『マジすか学園5』の概要発表

Amazonリンク








0 件のコメント:

コメントを投稿