2013/08/10

世界は変わりつづける あなたは変わらない あなたは変わりつづける 私が変わらなくとも

いろいろなことどもが、ズレを生じて
ぎしぎしと軋みつづけてやまない。
…そんな状況に、苦しみつづけている。





朝のできごと。
いや。
ごく個人的で、どうってことのないできごと。



仕事を終え、疲れ果てて吉祥寺にたどりつき、
駅前の富士そばでおれは
小柱かき揚げ丼セットが出てくるのを待ちながら、
いつも流れている演歌に、きくともなく耳を傾けていた。

ふと、よく知っている声が流れているのに気づく。



岩佐美咲の
『もしも私が空に住んでいたら』



疲労に淀んだ脳内に、歌は心地よく降り積もりゆき

おれは無意識に、その心地よさに身をゆだねている自分に
気づかされる。



そして、思いあたる。
その歌を、あまりいい歌ではないな、と
思い込んでいた不覚に。



岩佐の一曲め、
『無人駅』は好きだった。



だから、
『もしも私が空に住んでいたら』
という歌のタイトルを初めてきいたとき、
おれは、違和感と、期待感を抱いていた。

違和感は、奇をてらいすぎてはいないかという
いらぬ不安をもはらんでいた。

期待感は、
おもしろそうな内容を連想させてくれるタイトルだったから。



一曲めは、正統派中の正統派の、ど演歌に思えたから
二曲めは明るい、空のようなさわやかな曲になるんだろうか。
そういう的外れな憶測も、そこにはあった。

だから、一曲めよりもいっそう、
演歌調で、うしろ向きに思えてしまった
『もしも私が空に住んでいたら』を初めて聴いたとき、
がっかりしてしまったのだ。

不覚にも。





だから、疲れ果てて、思考が停止した状態で
たましいの底にゆっくりと沈んでいく
『もしも私が空に住んでいたら』を聴いている自分、
それを無意識に、心地よく感じている自分に

ふと気づいたとき。

愕然とせざるを得なかったのだ。



知識や思考や思い込みに。

どれだけおれは、濁らされているのだろう
…と。



どれだけおれは。

自分を守りつづけ、
自分にしがみつきつづけているのだろう

…と。

愕然と、してしまったのだ。



言葉が、うまくまわらない。
そのことも、もどかしい。



おれは、どれだけおろかでいつづけるのか。



それとも。
おろかなおれもまた、受け容れることが
必要なのだろうか。







まだ少女でしかないあなたが
悩みつづけているように、
半世紀を重ねた私が
迷いつづけたまま朽ちかけています。

あなたが、変わらない日々に苦しみつづけているように、
おろかな私は苦しみつづけたまま朽ちかけています。

あなたが成長しつづけている今日も、
私はなにも変わらないとしか思えない自分に苛立ちながら
このまま朽ちていくのかと。



世界はいまも、静かに、あるいはけたたましく
変わりつづける。




おれの、きしみつづけるたましいをおきざりにして。














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